最新ゴンドラ事情

★日本のゴンドラ事情

日本では過去20年以上、新しいゴンドラの建設がされてこなかったので、皆さんはあまり目にしていないかもしれませんが、世界のゴンドラは進化しています。

 

スキー場はレジャー産業、だからずっと古いままの機材というのはNG、というのが基本的な考え方にあると思います。

新しい機材で、お客様に非日常であり、自然の中で快適に楽しんでもらう。

そんな基本的な考え方を欧米のリゾートは大事にしています。

 

古い機材でも、この景観があれば文句ないだろう、というのは日本の考え方。

世界スタンダードでは笑われてしまいます。

 

★最新のゴンドラ
欧米では子供達が滑るエリアをゴンドラ化する動きがあります。

通常のリフトだと子供がスルッと落ちてしまう事故が起きかねないからです。

そして、日本とは違い欧米ではキッズエリアを山の上の方、中間とか山頂に持っていく傾向もあります。子供達もゴンドラで運んで、山の上で楽しんでもらう、という発想です。
そのために、テレミックスという、リフトとゴンドラのミックスも生み出されました。ゴンドラとリフトのいいとこ取りですね。

 

★★★テレミックス

ゴンドラとリフトのミックス。
同じ線にゴンドラとリフトが混ざって回ってくるタイプです。

ゴンドラのメリットとリフトのメリットの両方を利用可能。

ドッペルマイヤー社製が石打丸山にできてきますよね。

 

テレミックスのメリットは、ゴンドラは主に子供、観光客、初心者(もちろん上級者も利用可能)が暖かいまま上まで行けるメリットがあります。

リフトはスキー・スノーボードを脱がずに乗れるメリットがあります。

 

■日本には最適かも!

日本でテレミックスを設置するメリットがあるとしたら、夏の可能ではないでしょうか。

日本のリフトの規定で、夏山リフトを動かすには、地面からチェアの距離をかなり低くしないといけません。しかしゴンドラにはその規定が違うので、夏に高さを下げたりしなくて良いのです。

冬にスキー・スノーボード、夏にMTBやトレッキングの観光客を輸送したいのであれば、テレミックスをお勧めします。

LST社(Bartholet社製)のポルシェデザインの6人乗りチェアと、同じくポルシェデザインの8人乗りのゴンドラの組み合わせが可能です。
リフトとゴンドラの割合も自由に変えられますので、50/50でもいいし、70/30でチェアを多くすることも可能です。

 

最近はヨーロッパでは VIP仕様のキャビンも作られています。

★通常サイズゴンドラ

<6人乗り、8人乗り、10人乗りゴンドラ>
一般的にスキー場に設置されるゴンドラです。

主流派8人〜10人乗り。これからウィズコロナだと、人数制限が入ることになると思うので、これからは主流が変わる可能性があります。

 

写真のゴンドラはLST社(Barthlet社製)のポルシェデザインのゴンドラ。
ゴンドラは自重の重さで風に強いのですが、この形状でさらに風の影響を受けにくくなっています。

スキーラックはオプションで、ドアにつけるタイプと、キャビン内のセンターの床に立てるタイプがあります。

夏用のオプションでMTBラックを取り付けることも可能です。

ゴンドラのコストの大半はステーション。中間駅を作ると高くなります。

★中型サイズゴンドラ

<23人乗りなど>
大型リゾートに採用され、最近見るようになった中型サイズ。

20人以上をゴンドラと同じように運べ、風にも強いゴンドラ

 

ワイヤー数も2S(2本)、3S(3本)と風に強くなるように作ることも可能。

ワイヤー自体が増えるので、その分コストも高いが、風による運休が格段に減るとのこと

ライトナー社がツェルマットに建設したのが、ワイヤー3本の3Sタイプのシンフォニーというタイプです。
下の動画でご覧になれます。

僕も見に行きましたが、ブルウィールの上(エンジン室)で普通に会話ができるぐらい静かで、ゴンドラも快適そうでした。(僕はオープン前に行ったので、乗れていません)
数台VIPのキャビンがあり、スワロフスキーで装飾されたシートに、床に透明になるパネルを使っていました。

マッターホルン観光がてら、観にいくといいと思います。